犬小屋

心優しい犬に文字は書けない

小さな星屑。
シルバニアの赤ちゃん、
が咥えてる哺乳瓶。
リカちゃんのローラースケートの靴。
(舐めたら苦いらしい。)
アメリカ合衆国の国旗。
セボンスターよりはセブンスターの方が馴染み深い。

わたしはふつうくらいに背が高いから、小さいものを可愛がったり、愛したりしたらだめな感じがする。なんか似合わないし、あと純粋に自分以外のものが自分より愛されてるのって許せない。

少しだけ優しくされるのがいちばん怖い。わたしって愛されてるんだと勘違いしちゃって、そしたら、誰がお前のことなんか愛すものかと笑われるかもしれないから怖い。

うちの家には実はリカちゃんもメルちゃんもいなくて、かわりにバービー人形とぽぽちゃんはいた。かわいくなかった、ってことはないけど、リカちゃんとかメルちゃんがほしいって言ったら嫌って言われた。シルバニアはお母さんが好きだからあった。リカちゃんとメルちゃんはお母さんが嫌いだからなかった。

小さな星屑、の、断面に触れてできた、小さな切り傷。
血がたらりと指先を伝う。
あったかい。